平成20年に建築士法が改正され、平成20年11月28日に施工されています。具体的な改正内容は、建築士の資質、能力の向上及び設計監理業務の適正化などです。

実際に建築士事務所への立ち入り検査を行っている自治体は数多くあり、その結果事務所廃業等につながっている場合もありますので、立ち入り検査の際に不備が多かった内容に関して、遵守すべき内容を詳しくお伝えしていきます。

1) 特に立ち入り検査で調査されている内容

建築士事務所に義務付けられている事項の中でも特に八つのことを調査されています。

一つ目は「管理建築士及び建築士定期講習の受講状況」、二つ目は「建築士事務所登録事項の変更手続き」、三つ目は「事業年度ごとの設計等の業務に関する報告書の提出」、四つ目は「管理建築士の専任状況」、五つ目は「帳簿の備え付け」、六つ目は「標識の掲示」、七つ目は「書類の閲覧」、八つ目は「契約時の重要事項の説明及び書面の交付」です。

ただし、自治体によって違いがあると思いますのでご注意ください。特に不備の多かった事項を以下にご説明いたします。

(1) 書類の閲覧(建築士法第24条の6)

建築士事務所の開設者が、建築士事務所に備えおき、閲覧できるようにする書類には、「建築士事務所の概要」、「建築士事務所の業務の実績」、「所属建築士名簿」、「所属建築士の業務の実績」などがあります。設計等を委託しようとする者の求めに応じて閲覧させなければなりません。

(2)契約前の重要事項の説明(建築士法第24条の7)

建築士事務所の開設者は、設計受託契約又は工事監理受託契約を建築主と締結いようとする際には、管理建築士等(管理建築士か、その設計事務所に所属する建築士)に、あらかじめ建築に士に対して契約内容の重要事項に関して書面を交付して説明させることが義務付けられています。

(3)標識の掲示(建築士法第24条の5)

建築士事務所の開設者は、指定の標識をその建築士事務所に見やすい場所に掲示する必要があります。様式は決まっていますが、材質に指定はありません。登録の有効期間(5年間)を表示しないといけませんので、更新を念頭において用意されることをお勧めいたします。

上記のことは、建築士事務所として遵守すべき内容ですので、もし不備等お気づきになられましたらご準備いただくなど、日頃の業務に活かしていただければと思います。