昨年建築士を取得された方は、建築士会への勧誘などがあったのではないでしょうか。建築関係には主に建築士会を合わせて四団体あり、こちらでは入会するとどのような活動や利点があるのか、それぞれ特徴を詳しく説明いたします。どの団体に所属したいかなどを検討するのにお役立てください。

今回は、「日本建築家協会(JIA)」に関してご説明致します。

1. 日本建築家協会の概要

日本建築家協会は、建築家の資質の向上および業務の進歩改善を図ることを通じて、建築物の質の向上と建築文化の創造・発展に貢献することを目標として結成されています。

(1)正会員への加入要件

正会員への加入要件は、一級建築士免許登録後5年以上の実務経験で建築家憲章を遵守するものとなっています。建築四団体の中では、一番狭き門といえるでしょう。しかし、正会員以外にも、「専門会員」「シニア会員」「ジュニア会員」「学生会員」など準会員の制度がありますので、実際に加入されるときにはご確認下さい。

(2)日本建築家協会の活動

日本建築家協会の活動は多岐に渡っていますが、基本は社会貢献活動です。建築家の仕事そのものが本来国民の財産と命を守り、美しく快適な環境を設計することによって活き活きした生活や社会活動を可能とする仕事です。建築家の仕事は社会の福祉向上のために行われるのです。

10の主要な活動は、「建築関係社会システムの改善活動」、「建築家の資質向上のための活動」、「建築文化の普及活動」、「良い建築、まちづくりのための調査研究活動」、「市民まちづくり、住まいづくり支援活動」、「次世代育成活動」、「地震災害、都市災害等の復興支援活動」、「建築家の業務の支援活動」、「国際協力、国連連携活動」、オープン化した「登録建築家の認定活動」です。

日本全国に、「北海道支部」「東北支部」「関東甲信越支部」などの10支部とそれに付属する都道府県毎の地域会があり、全国単位の活動のほか、支部ごと、地域会ごとに活動を行っています。

(3)日本建築家協会全国大会

年に1度、全国の日本建築家協会会員が集い、建築並びに建築家が担うべき社会的役割について一般市民と共に考え、共に育むために議論の場を設け、社会へ示す機会としてJIA全国大会を開催しています。時代時代のパラダイム(価値観)に基づき、未来に残すべき記憶と文化の大切さを一般市民と共に考えていくことが可能です。

以上のような「日本建築家協会」に加入して、厳しい自己研鑽を行い、高い倫理意識を持って設計監理の業務を遂行すること、より豊かで美しく安全な国土と都市と建築の建設に貢献し、実務等に生かしていただければと思います。