建築士が受講できる講習は多種多様にありますが、その中でも仕事に活かせるおすすめの講習をご紹介しています。

前回は「ZEHのつくり方」講習をご紹介しましたが、今回は「木造住宅の省エネ法・外皮計算方法を学ぶ」講習を詳しくご紹介します。

1) 省エネ法制度が2020年までに激変?

2016年4月から、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(建築物省エネ法)」に基づく建築物のエネルギー消費性能の表示制度(省エネ性能表示制度)がスタートしました。

この制度で使われる第三者認証ラベルが「BELS(ベルス)」です。2017年4月には、「延べ面積2000m2以上の新築の非住宅建築物」に対し、建築物のエネルギー消費性能基準(省エネ基準)の法適合化がはじまりました。

そして、2020年までに「戸建住宅も含む全ての新築の建築物」で適合義務化が段階的に拡大していきます。

義務化されると、耐震や防耐火などと同様に、省エネに関しても基準に満たない建築は確認申請が下りなくなります。

つまり、建築や住宅、不動産に携わるみなさまは、2020年度の省エネ法義務化に向けて、外皮計算から住宅・住戸の省エネルギー性能の判定プログラムまでを学ぶ必要があります。

これからの業務や、2020年までの対策・準備として、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律」についてもおさらいしてみてはいかがでしょうか。

2) 講習の内容に関して

各都道府県によって、開催団体や開催日時等は変わってきますので、詳細はご確認ください。1日で広く浅く学べる講習や、2日間に分けて、法改正に至った経緯・ロードマップ等についての説明や、実際にノートパソコンを用いての外皮計算・住宅・住戸の省エネルギー性能の判定プログラム解説と実務作業を学べる講習など様々です。

3) 費用に関して

その開催団体の所属会員の場合は無料〜4,000円前後ですが、そうではない場合少し割高になっています。開催団体によって異なりますので、事前にお調べ頂ければと思います。

ここ数年で、建築物の省エネに関する法制度が大きく変わってきています。省エネ建築・住宅の検討は、プロジェクトの初期段階から、設計、施工、運用までを含めてトータルで考える必要があります。

建築や住宅、不動産に携わるみなさまは、上手に講習会を活用して、いち早く一連の法制度の動きを理解し、実務にお役立ていただければと思います。