二級建築士の学科試験が終了し、いよいよ設計製図試験に向けて準備を始めていらっしゃることと存じます。

平成29年度の課題は「家族のライフステージの変化に対応できる三世代住宅(木造二階建て)」です。

二級建築士の設計製図試験に合格するために、まず、課題をよく知ることが必要です。今回は、与えられている課題を詳しくみていきたいと思います。

1) 今回初めて要求されたこと

今回、「外壁の仕上げについては試験問題において指定した仕様により行うものとする」と定められています。外壁の仕上げが指定されると、様々な図面に影響があるため、多くの材料や納まりを習得しておく必要があります。

特に最近は「省エネ」への配慮など、外装材の採用についても断熱性能向上に向けた提案が必要です。関係してくる図面は、「仕上表」「部分詳細図」ですが、「立面図」についても仕上げ材に合わせた表現が必要です。

さらにその仕上げ材について「計画の要点」で問われても説明ができるようになることが重要ですので、整理して習得していかなくてはなりません。

2) 「家族のライフステージの変化に対応できる」とは?

「ライフステージ」は、一般的に人生の節目ごとに段階を分けることを指しています。「住宅設計」においては、設計者として様々な提案や配慮がより重要になります。

例えば、子どもの成長とともに共同空間から独立した個室が必要になり、子どもが独立した後はまた使い方が変わります。

親世代についても月日の経過とともに老年期にさしかかれば「介護」などへの配慮も必要になります。それらを全て想定し解決していく提案型の設計が求められます。

3) 「三世代住宅」とは?

過去の直近では平成26年の「介護が必要な親(車椅子使用者)と同居する専用住宅等」など今までにもいろいろな出題がされています。しかし、今回は、「現在」の対応だけではなく、将来も想定しなければならないため難しくなっています。

三世代それぞれが時間の経過とともにライフスタイルが変化していくため、様々なパターンが想定されますので、例年以上に実践的な課題演習が必要です。

平成29年度の課題は三世代(親・子・孫)が生活する住宅ですので、二世帯住宅の要素が強く、難しい課題となる可能性があります。

4) 要求図書は?

1階平面図兼配置図、2階平面図、立面図、断面図、2階床伏図兼1階小屋伏図、部分詳細図(断面)、面積表、仕上表及び計画の要点等です。近年の要求図書と一緒ですが、外壁の仕上により図面変更が多数出てきますので要注意です。

ぜひ、与えられている情報をもとに、外壁ごとによる様々なパターン演習をしっかりした上で試験を受け、今年度必ず合格できるように取り組んでいただければと思います。