二級建築士の平成29年度の課題は「家族のライフステージの変化に対応できる三世代住宅(木造二階建て)」です。

前回は二級建築士の設計製図試験に合格するために、課題の内容について詳しくお伝えいたしました。今回は、合格するためのエスキス時のコツをお伝えいたします。

1) 課題文が配布されたときにまずすること

まず、自分のエスキスや作図の時間配分をしっかりと持って計画的に取り組むことが大切です。課題文が配布されたら、必ず折ってある用紙を広げて全体が見える状態にします。

その後、すぐにエスキスを始めるのではなく、道路付けが敷地に対してどちらの方向か、課題文の中にいつもとは違う見慣れない部分がないかなどをざっと見渡して確認します。

特に道路付けを確認しないまま課題文を読むと、エスキスのメモを取る際にもアクセスの方向などが間違ってしまいますので注意が必要です。

また、敷地図の周辺への小さな字で書かれた注意事項も見落とすと失格の要素になってきますので、必ず丁寧に読んでください。

2) 課題文の読み取り方法

課題文を読み進めるときには、優先順位を意識して、絶対に外してはいけないところはメモを取りながらまとめていきます。

実際に課題文の右側のグリッドの部分へ敷地図を1/200で描いてエスキスを始めますが、課題文より、建物を建てられない場所、車がアクセスできない場所などをぬかりなく記入することが大切です。

3) エスキスをするときの優先順位

要求室を入れていくときは、大きな主要室(LDK、夫婦寝室、子ども室など9㎡以上の居室)から入れていき、余ったところに水廻りを配置します。

短時間でスムーズに配置できるようになるには、水廻りの最小寸法を知り、廊下の突き当たりの角を上手にレイアウトするなどのバリエーションを練習しておく必要があります。

基本的に平面はシンプルな矩形にすると、作図の際にも短時間で合格できる図面を描くことが可能です。

課題によっては2階からエスキスした方が良いときがありますので、1階の主要室を入れて玄関や階段位置を検討するときには、一旦2階のエスキスをしてみましょう。

その後、1、2階のプランがまとまったら、必ず駐車場やテラスなどの外部空間を配置してください。

4) 最も重要なのはエスキスチェック

エスキスがある程度できてきたら、細かい窓の位置の描画などをする前に、エスキスが課題文から大きく外れていないかをチェックする必要があります。

まず、面積が決められている範囲内にあるかどうか、1、2階のプランにずれはないか、要求されている室や外部空間に抜けはないかなどなど。ここで間違いや見落としに気付くと修正時間が短くて済みます。

以上のことを参考にして頂き、たくさんの課題に取り組んでみてください。

独学で製図試験を受けられる方もいらっしゃいますが、最も重要なのは、今、2級建築士試験に必ず合格したいと思われている気持ちを最後まで持ち続けることだと思います。

身近に受験される方がいらっしゃるようでしたら、ぜひ、お互いに切磋琢磨して最後まで頑張ってください。