平成29年度二級建築士設計製図試験の課題は「家族のライフステージの変化に対応できる三世代住宅(木造二階建て)」です。

前回は二級建築士の設計製図試験に合格するために、作図用紙が配布されたときに確認することと、製図時の平面図作図のコツについて詳しくお伝えいたしました。

今回は、合格するための製図時の平面図以外の図面作図のコツをお伝えいたします。

1) 断面図作図のコツ

課題文の右側にある要求図書の特記事項をよく読み、指定されている切断部分に沿って描かなくてはいけません。外壁部分に開口部がないといけないのかどうかなども含めて正確に描きましょう。

また、1、2階の切断部分にズレが生じないように確認をしてください。平面図や、立面図との整合性がとれているかどうかが大変重要ですので、何度も練習して、チェックしてみてください。

そして、作図の時間短縮を図るには、高さ方向の寸法を覚える必要があります。この高さ方向の寸法は立面図作図時にも役に立ちますので、はじめに覚えましょう。作図目標時間は、15分以内です。

2) 立面図作図のコツ

断面図作図のときに覚えた高さ方向の寸法をしっかり覚えていると、立面図の作図の時間短縮も図れます。また平面図や断面図との整合性がとれているかどうかが大事です。

南側立面図は、自分が作成した平面図を見ながら作図できますので描きやすいですが、他の面を描くように指定された場合は、自分が描いたエスキス用紙を描きやすい向きに回転させて、作図用紙の近くに置いて参考にしてみてください。とても描きやすくなります。立面図の作図時間も、15分以内です。

3) 断面詳細図作図のコツ

平成29年度は、外壁の仕上げを指定されます。指定された仕上げによって、臨機応変に対応する必要があります。基本の図を描いて覚えたら、その他の考えられる様々なパターンを練習して、本番でどのような指定をされても描けるようにしましょう。

4) 1階梁伏図兼2階床伏図の作図のコツ

2階平面図と一緒に描き始めると時間短縮につながります。描く順番は、はじめに2階平面図の壁・柱を描き、その後、2階と重なっていない1階壁・柱を、続いて下屋、最期に1820mm以内に梁がない場所を見つけたら、その間に梁を描いていきます。

スパンの長い梁には、その梁の寸法を描く必要があります。重要事項としては、階段やエレベーターの内側に火打梁を設けないということです。はやめに、入れてはいけないところに一点鎖線でバツ印を描いておくと良いと思います。

今回は、平面図以外の作図時のコツをお伝えいたしました。ぜひ、設計製図練習時にお役立ていただければと思います。