平成29年度一級建築士設計製図試験の課題は「小規模なリゾートホテル」です。

確実に試験に合格するために、課題に対する対策を行うことが大事です。前回は「作図練習のコツ」をお伝えいたしましたが、今回は「一級建築士設計製図試験に合格するエスキスのコツ」を詳しくお伝えいたします。

1) 課題文の読み取りは機械的に行う

課題文が配布されたら、読み取りを行う前に、必ずいつもの課題とレイアウトで違うところはないか、道路付けがどのようになっているか等の敷地条件を確認することが大切です。

それらの確認後読み取りを行うかどうかで読み取りの精度が変わってきます。

(1) マーカーとメモは同時に行う

実際の読み取りが始まったら、課題文の大事なところを蛍光ペンでマーカーしていきますが、一つマークしたら、右側のエスキス使用欄に必ずメモをとるということを機械的に行ってください。

この段階でエスキスをするのではなく、課題文に書かれていることを、単純に図式化するということが大切です。

(2) 外部条件は敷地図にメモをとる

課題文の読み取りの中でも、外部条件に関することは、必ず課題文の中の敷地図にメモを取るようにしてください。敷地図の中にメモを取ることで、周囲との関係性を簡単に図式化することが可能です。

(3)メモを一つにまとめる

上記のことができたら、課題文の右側に描いたメモと、敷地図に描いたメモを一つにまとめます。

この時も、エスキスしながら行うのではなく、条件の羅列をするために、ゾーニング別、階数別などに分けて、機械的に並べるようにしてみましょう。

あとでエスキスする際に、とても作業がしやすくなります。読み取りに時間がかかってしまっている方は、この部分でエスキスを開始していることが多く見られます。

あくまでも機械的に羅列するだけに留めると、短時間で、解りやすいメモを作ることができます。

2) エスキスのチェックをしっかり行う

先ほどのメモを元にエスキスをしたら、最終的な作図に向けてのエスキスの描きこみ(窓の位置や断面位置など)をする前にエスキスのチェックを行うことが大切です。

特に優先順位の高い、各階の不整合はないかどうか、階段やエレベータの欠落や不整合はないか、面積は指定されている範囲におさまっているか、外部条件は収まっているか、必要な室は確保されているかなどを短時間でチェックできるよう、エスキスの練習時から取り組んでみてください。

以上のコツをぜひエスキス練習の時から取り入れて、昨今、狭き門となっている「一級建築士」への合格に近づいていただければと思います。