地方や過疎地における課題は共通しており、主に3つあります。

一つ目「移住者を呼び込めない」、二つ目「若者が故郷へ帰ってこられない」、三つ目「地域を担う後継人材が育たない」です。

ここでは、実際に徳島県神山町にてまちづくりを実践されていらっしゃる方から教えていただいた「まちづくりの3つの極意」をご紹介いたします。

1) ワークインレジデンス

町の将来にとって必要な働き手や起業家の誘致を積極的に行います。現在、「ビストロ」、「カフェ」、「パン屋」、「ピザ屋」、「靴屋」、「カバン屋」、「総菜店」、「ゲストハウス」などが開業しています。

空き店舗が目立つ商店街への展開によって、今までに類を見ない中山間地における商店街モデルが誕生しています。

空き店舗などに、業種を指定して募集しているため、まち全体として必要なものが段々と揃ってきています。

2) サテライトオフィス

IT、映像、デザインなど、働く場所を選ばない企業の誘致を行っています。

2017年9月現在で、16社がサテライトオフィスを設置し、本社移転や新会社設立に至っています。その結果、合計40数名の新規雇用を創出しています。

エンジニアやプログラマーだけでなく、営業部門(オンライン)も展開できているのは、まち中を網羅している「光ケーブル」によるインターネットの高速回線です。田舎は都会に比べてインターネットの利用者が少ないため、通信速度が抜群に速いのです。

3) 神山塾

厚生労働省の基金訓練、求職者支援訓練による後継人材の育成を行っています。訓練生の属性としては、独身女性、30歳前後、首都圏出身、クリエイター系が多数です。

9期165名終了し、そのうち40% は移住しました。そして、サテライトオフィス企業等への就職は20名、カップルは12名誕生しています。
「人が移り住んでくる、還って来る、留まることを選択する背景」には、その地域に「可能性が感じられる状況」が不可欠です。

神山町では、まず「やってみたらいいんちゃうん」といった気風があります。できない理由を考えるより、できるためにはどうしたらいいのかをとことん議論していくことが大切です。

それぞれの地域によって課題が異なると思いますが、上記の「徳島県神山町」の事例の中から参考になるところがございましたら、ぜひ、仕事やまちづくり活動の中で活かしていただければと思います。