平成30年度二級建築士設計製図試験の課題が発表されました。受験される方にとっては、どのような試験になるのだろうかと発表を心待ちにされていたと思います。

課題の特徴と、合格するための対策に関して詳しくご紹介いたします。

1) 課題名「地域住民が交流できるカフェを併設する二世帯住宅」

[鉄筋コンクリート造(ラーメン構造)3階建て]とは?
平成30年度は、「カフェ」「3階建て」「鉄筋コンクリート造」のメイン構成に付け足して、「地域住民の交流」「2世帯住宅」という、平成27年度の鉄筋コンクリート造課題「3階に住宅のある貸店舗(乳幼児用雑貨店)」に比べて、かなり多様な内容になっています。

(1)エスキスのポイント

平成30年度の課題は、「地域住民の交流」および「カフェ」と「二世帯住宅」という異なる用途の組み合わせなので、「適切なゾーニングと動線計画」、そして「外部との関係を適切に捉えた内部計画」がポイントになると予想されます。

つまり、設計製図の試験において、実務で通用する建築士かどうかを試しているということはいうまでもなく、「多様な要求に対応」し、「的確に計画できる能力」を試されます。

実務でも設計経験のある方、ない方を問わず、課題と似たようなカフェがありましたら実物を見に行き、内部・外部をよく観察してみてください。

(2)作図のポイント

平成30年度の設計製図試験は、平成24年度の「試験の見直し」以降3度目となる「鉄筋コンクリート造」の課題となりましたが、「鉄筋コンクリート造」では初めての部分詳細図が要求され、2級建築士設計製図においても、年を追うごとに試験の内容が進化していることが、今回の発表でも分かります。

「3階建て」というだけでも作図量が増えているのに、さらにもうひと図面増えておりますし、エスキスも複雑化しておりますので、早い時期での、図面完成時間短縮が必要となります。そして、確実に合格するために、図面完成は当たり前とし、エスキス終了後のチェックや、作図終了後のチェックをしっかり行う時間を作り、要求されていることをすべて描きましょう。

二級建築士設計製図試験は競争試験ですので、最終的にメリハリのある美しい図面であることはもちろんのこと、密度を上げて、他の方より見栄えのする図面となるよう何度も繰り返し作図練習が必要です。

以上、課題に関してのエスキスのポイントと作図のポイント、そしてそれを踏まえての合格するための対策をご紹介いたしました。参考になる部分がございましたら、ぜひご活用ください。