先日、兵庫県西宮市にある大谷記念美術館に行って参りました。

というのも、興味深い展覧会がやっていたからです。

 

『開校100年 きたれ、バウハウス ―造形教育の基礎―』

 

建築史をかじったことのある方なら知っているかと思いますが、バウハウスとは1919年にドイツの建築家ヴァルター・グロピウスが設立した学校です。この学校で行われた造形教育は建築のみならず、アートやデザインに関するあらゆる分野へと影響を及ぼしたと言われています。

そのバウハウスをテーマにした展覧会がやっているということで、見に行って参りました。

 

美術館まで


JR大阪駅からJRさくら夙川駅まで約20分。

JRさくら夙川駅からは南西に向かって徒歩でむかいました。

途中で夙川を通りましたが川沿いは緑豊かで非常に癒されました。

余談ですが、この川は春になると桜が満開になり、水面に映りこむピンク色も相まってとても幻想的な風景になります。


 

大谷記念美術館


歩いて20分くらいすると美術館に着きました。

阪神高速の少し南で住宅街の真ん中に位置します。

美術館の敷地内には日本庭園もあるのでそれも楽しみにしつつ、まずは美術館から。


入ってすぐにブロイヤー(マルセル・ブロイヤー)のクラブ・アームチェアB3と、ミース(ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ)のバルセロナチェアーが配置されていて、初っ端から心を掴まれました。

二人ともバウハウスで教鞭をとったことがあり、特にミースは3代目の学長にもなっています。

この後、展示室内はほとんどが写真撮影不可で、一部の体験コーナーのみOK。

展示内容は、①バウハウスの設立意図・教育理念についての展示から始まり、②基礎教育の各分野の授業内容とその体験コーナーに続きました。

その後、③工房教育の内容に触れてから、④バウハウスが行ってきた展覧会についての展示があり、⑤最後にバウハウスに通った4人の日本人学生をその後の活動も踏まえながら紹介するといった構成でした。


 


撮影可であった体験コーナーの写真の一部です。

『手』で行うものづくりを意識した教育でありつつ、自分自身の感覚を他者にどのように伝えるかといったコミュニケーションの部分にも焦点を当てていて非常に興味深かったです。

 

他にも興味深い展示が多く、特に『バランスの習作』や『光の彫刻』などが印象的でした。

③の一つである家具工房の展示は身近なインテリアを扱っていて、真剣に見ている方も多くいらっしゃいました。

全体を通して、美的なデザインの追求が感じられ、いつまでも見ていられそうな展示内容。

見終わった後は満たされた気分でいっぱいでした。

 

建築だけでなく、アートに興味がある方にぜひオススメしたい展覧会です。


 


展覧会を見終わって1階のカフェで休憩しながら敷地内の日本庭園を眺めていました。

一通り見て回った後、カフェラテを飲みながらミュージアムショップで購入した図録を見つつぽつぽつと思索にふけるこの時間が、私は大好きなのです。

図録には展示物だけでなく論集も載っていて非常に勉強になりました。

 

庭園散策


庭園は美術館の横から回って散策することも出来ました。

この日はあいにくの雨模様でしたが、雨が降った後の庭というのも粋だなと思いながらぐるっと一周。

途中には何点かアートも展示されていました。

写真は岡本太郎の『午後の日』という彫刻のようです。

私には芝生に寝転んでワクワクしながら何かを観察する子供のように見えますね。

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。

私は建築の分野の展覧会のつもりで行きましたが、学校としてのバウハウスや教育に焦点を当てた展示内容でした。

キャプションなど文章も多くありましたが、同時に感覚的に訴えてくるものも多く、お子様を連れてご家族で行ってみても十分楽しめる内容だと思います。

皆様も機会があれば行ってみてはいかがでしょうか。

 

大谷美術館の営業時間は10時から17時まで(水曜日休館)。

また、こちらの展覧会は2019年の12月1日(日)までとなっています。

 

※写真はすべて筆者撮影

 

※美術館情報

大谷記念美術館公式ホームページ

http://otanimuseum.jp/