今回は昨年の11月ごろに見てきた、ヨドコウ迎賓館を紹介します。

 

はじめに

 

ヨドコウ迎賓館(旧山邑家別邸)は、近代建築の三大巨匠のひとりで『有機的建築』という概念を提唱したフランク・ロイド・ライトの設計です。

彼の母国のアメリカでは、あの川に向けて飛び出たキャンチレバーのコンクリートスラブで有名な落水荘、あるいは、吹抜けを中心とした螺旋状の動線空間のニューヨーク・グッゲンハイム美術館などが有名で、これらの2つはレゴのArchitectureシリーズにもなっています。

 

日本国内では、旧帝国ホテルが有名ですが現在は玄関部のみ愛知県に移築され、取り壊されています。

当時の姿として日本に残る彼の建築は数少なく、兵庫県芦屋市にあるヨドコウ迎賓館と東京都豊島区にある自由ヶ丘明日学園ぐらいだそうです。

また、世界遺産「フランク・ロイド・ライトの20世紀建築作品群」の将来の拡張登録候補としてアメリカ国外で推薦書を唯一挙げられているのはヨドコウ迎賓館だけということを知り、さらに11月は夜間の館内見学も可能ということで今回行って参りました。

 

 

 

ヨドコウ迎賓館

 

ヨドコウ迎賓館は、京阪神の私鉄である阪急の神戸線芦屋川駅から北へ10分ほど芦屋川沿いに登ったところに立地しています。

 


 

門から入って建築へのアプローチ。

 


 

エントランス周り。

 


 

玄関から入って階段を上がるところ。

飾り銅板を用いた照明が足元を照らしてくれます。

 


 


 

こちらの2枚の写真は2階の応接室です。

部屋の入口側に暖炉があります。

そういえば落水荘にも暖炉がありましたし、ライトは暖炉に思い入れがあるのでしょうか。

 


 

2階から3階へ。

 


 

3階の西側の廊下。

開放的で明るい空間です。

 


 

館内案内の一部です。

図面があって非常に分かりやすい。

 


 

先ほどの案内にもあった3階の和室です。

この時はライトの建築作品についてのパネル展示がありました。

 


 

さらに上へ上がって4階の食堂からバルコニーへ出て振り返っています。

この日は天気がバツグンに良かったです。

 


 

バルコニーから南、海の方を臨む。

敷地が斜面なので、眺望は最高でした。

将来こういうところに住めたらいいのになあ、と憧れてしまいます。

 


 

夕方になるまで待機。

芦屋川沿いの木々は紅葉し始めていました。

 


 

そして、黄昏時に再訪です。

 


 

温かい雰囲気の昼間とはまた違う、落ち着いた大人な雰囲気があります。

 


 

外からの光が飾り銅板を通して木漏れ日のように差し込んで来ていた昼間とは逆転して、夜になると室内から漏れ出た光に因る影が壁面に映り込みます。

 


 


 

再びバルコニーから。

昼間も夜間もどちらも美しく、甲乙つけがたいですね。

 

 

 

おわりに

 

今回写真でさわりだけ取り上げましたが、しかしながら写真だけでは伝わらない部分が多くて、実際に訪れてみるとわかるのは設計の細部までこだわって意図が込められ作られていることがです。

窓や家具のディテールもそうですが、特に空間の構成がそうです。

内部をぐるっと巡ると、そのシークエンスに抑揚というかリズムのようなものが付いているような印象を受けました。

例えば見せ場に当たる空間の前の廊下で天井高が低くなっていたりとか。

これは是非行ってみて体感するべきだと思いました。

 

ヨドコウ迎賓館のホームページ

https://www.yodoko-geihinkan.jp/

(施設案内・歴史・ライトについて、などの情報や写真がたくさんあります。

興味はあるけど遠くて行けない方は必見です。)

 

※写真はすべて筆者撮影

 

※設計者などの人名は敬称略