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日本の各地には、今年の7月に世界遺産に登録された「西洋美術館」をはじめとして、歴史的に価値のある建築物や、伝統的構法による建築物がたくさんあります。

それらが構成する町並み等を地域の貴重な文化財として保全活用し、後世へ継承していくことが大切です。

そのため、全国的に「歴史的文化遺産活用推進員(ヘリテージマネージャー)」制度の創設や育成の動きが活発化しております。

ここでは、そのヘリテージマネージャーになると、具体的に何ができるかについて説明いたします。

コツ1)養成講座を受講する必要があります。

ヘリテージ(heritage)とは、文化遺産を継承・伝承していくことで、マネージャー(manager)とは、交渉、世話に当たる人のことです。

つまり「ヘリテージマネージャー」とは、文化財建造物を活かす為の協力を行い、文化財建造物に関する資料作成等が出来る能力を有する人材の事を言います。

その資格を得るためには、各都道府県の建築士会等が一年を通して計画している「ヘリテージマネージャー養成講座」をすべて受講する必要があります。

コツ2)仕事の内容を知りましょう。

仕事の内容は多岐にわたり、歴史文化遺産の調査、登録文化財の登録に関する提言、保全・活用の企画提案、災害対策業務、啓蒙活動等です。

具体的には、文化財建造物所有者へ保存・活用についての助言を行ったり、新たな歴史的文化遺産の発見や新規登録を目指し、地域での調査発掘を行ったりします。

ほかにも、市町村の文化財建築物の資料作成を行ったり、文化財を登録保存するための協力と助言を行い、資料作成などを行ったりします。

コツ3)仕事が発注される仕組みを利用しましょう。

和歌山県などは、すでに各都道府県の建築士会が窓口となって、仕事を依頼する仕組みが出来ています。

今はまだその仕組みが出来ていない都道府県建築士会も、今後は仕事の依頼窓口となる仕組みづくりを検討されています。

ヘリテージマネージャー養成講座を受講されましたら、各建築士会へも登録をしましょう。そうすることで、自治体からの仕事の依頼が、建築士会を通して割り振られてきます。

以上のことより、歴史的文化遺産活用に関する仕事を受けていくには、まず、各都道府県の建築士会にて行っている「ヘリテージマネージャー養成講座」を受講し、忘れずに建築士会へも登録を行うことが必要です。

今後、たくさんの方が、歴史的文化遺産活用の分野でご活躍されることを期待しております。