建築士が受講できる講習は多種多様にありますが、その中でも仕事に活かせるおすすめの講習をご紹介します。

前回は「既存住宅状況調査技術者」講習をご紹介しましたが、今回は「建築設計業務におけるBIMの活用に関する」講習を詳しくご紹介します。

1) BIMとは?

BIMという言葉をよく聞くようになりましたが、BIMとは、Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)のことで、設計・施工・維持管理の各段階において建築の形態情報と仕様情報からなる3次元モデルを活用し、建設プロジェクトを遂行する手段を指す情報化技術のことです。

2) 建築設計業務におけるBIMの活用とは?

従来の3次元CADとは異なり、形の情報だけではなく、仕上げや仕様をはじめとした色々な属性情報を合わせ持つため、建物全体のデータベースの様相を見ることができます。

このデータベースによって、建築情報が見える化され、建物情報の共有化・一元化が図れます。そして、業務プロセスを改善できるため、全体的な生産性の向上につながります。

3) 世界的にも普及してきている?

近年では、各国で建築設計業務において図面に変わってコンピューターで仮想の3Dモデルを作りながら設計する手法が普及しはじめています。

日本でも、平成26年3月に国土交通省よりBIMガイドラインが策定され、徐々に普及が始まっています。

4) BIMが可能なソフトウェアは?

関連ソフトウェア製作の大手4社は、エーアンドエー株式会社(Vectorworks)、オートデスク株式会社(Revit)、グラフィックソフトジャパン株式会社(ArchiCAD)、福井コンピューターアーキテクト株式会社(GLOOBE)です。

5) 講習はいつどこで受けられますか?

各都道府県の建築士会で受講すると割安ですが、講習会の日時が異なりますので事前にご確認ください。

ほかにも各関連ソフトウェア製作会社の開催している講習会もあり、開催頻度が多くて受講しやすい反面、費用が高かったりしますので日時や講習内容をご確認の上ご検討ください。

講習の際にパソコンを貸してくれる場合もありますが、ご自身のパソコンをご利用になったほうが、講習後の使い勝手の面を考慮するとおすすめです。

従来のCADでは、実施図になればなるほど作図に時間がかかっておりましたが、このBIMを活用すると、はじめに3Dのモデルを作成する必要がありますので時間がかかりますが、後の修正が非常に楽になりますし、図面間の不整合が一切なくなります。

ぜひ、講習を活用して設計にBIMをご活用いただき、業務の効率化にお役立てください。